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ハンドボールのその他基本プレー
反則を受けたあとのフリースローや7mシュート、サイドラインを割ったときに相手チームに与えられるスローインなど、試合の節目などで見られる様々なプレーについて用語の意味やルールについて解説します。
ペナルティとして与えられるフリースローは、ディフェンダーが間近にいない位置からシュートが打てるなど大きな攻撃チャンスでもあり、細かなルールが決められています。せっかくのチャンスをルール違反で無にしてしまわないよう、プレーヤーはしっかりとツールを把握しましょう。
ただし、フリースローや7mスローに該当する違反場面であっても、それを受けることで攻撃側チームが不利になる場合や、攻撃側チームのプレーヤーがボールや体を十分にコントロールできる状態であれば、レフェリーは「違反である」との判定をあえて示しません。こうしたハンドボールならではの判定にも慣れておくと、プレーも観戦も柔軟に楽しめそうです。
スローイン

サッカーのスローインのように、ボールがサイドラインを越えたときなどに、コート外からコート内へボールを投げ入れることを「スローイン」と言います。最後にボールに触れたプレーヤーの相手チーム側のプレーヤーがスローインを行なえます。投げるときは、ボールがコート外に出た場所から近いサイドライン上に立ち、片足をラインにのせた状態からボールを投げます。レフェリーの合図なしで始めることができます。投げたプレーヤーは他のプレーヤーが触れる前に、自分で投げたボールを触ってはいけません。相手チームのプレーヤーは3m以上離れます。ただし、自チームのエリアでゴールエリアラインに沿って立つときは、スローするプレーヤーから3m以内であっても認められます。
他、ディフェンス側のコートプレーヤーが最後に触ったボールがアウターゴールラインを越えたとき、ボールが天井に当たったときも、スローインによって試合を再開します。
スローオフ

前半や後半、延長戦を開始するときに行なわれるスローイング。得点がどちらかのチームに入った場面のあとにも行なわれます。スローオフをするチームのうちのひとりがボールを持ってセンターラインの中央に片足を置き、レフェリーによる笛から3秒以内にボールを投げます。ボールが手から離れるまでライン上の足は離してはいけません。味方チームの他プレーヤーはスローオフが行なわれるまではセンターラインよりも自チーム側のコートにいるのがルールです。
スローオフをするチームは攻撃を仕掛けることになるので、「先攻」とも呼ばれます。前・後半開始のときにどちらのチームが先行(スローオフ)するかは、コイントスで決めます。
得点があったあとのスローオフは、点を取られたチームがスローオフを行ないます。相手チームのプレーヤーが味方側のエリアにいても実行できるので、相手が戻りきる前にスピーディに行なわれることが多くなっています。逆に、あえてゆっくり行なうことで、少しでもチーム全員の体を休めたり、フォーメーションを整えたりすることもあります。
フリースロー

様々な違反行為のペナルティとして、違反を犯したチームの相手側に与えられるのがフリースローです。フリースローが与えられるのは、主に以下の場合です。
- 不正交代
- 不正入場
- ゴールキーパーの違反
- ダブルドリブルなどボールを扱うときの違反
- ゴールエリア内におけるコートプレーヤーの違反
- ボールをわざとコート外へ出す
- パッシブプレー
- スローオフやスローイン、フリースローに関する違反
- スポーツマンシップに反する行為
- 暴力的なふるまいなど
フリースローは原則として違反があった地点に立ち、レフェリーによる笛の合図なしで行ないます。その地点がゴールエリアラインとフリースローラインの間であれば、フリースローラインの外側のうち、最も近い地点から行ないます。このとき、投げるプレーヤーが準備運動として床にボールをバウンドさせると、その時点で投げたことになるので注意しましょう。味方チームの他プレーヤーは、フリースローが行なわれるまでは相手エリアのフリースローラインに触れたり踏み越したりしてはいけません。
相手チームのプレーヤーは3m以上離れます。ただし、自チームのエリアでゴールエリアラインに沿って立つときは、スローするプレーヤーから3m以内であっても認められます。
7mシュート

ゴールラインから7mの距離にある「7mライン」から行なうスローイングのことです。次のような違反があった場合、相手チームに与えられます。
- コート上のあらゆる場面で、明らかな得点チャンスをディフェンス側の反則で阻まれたとき
- ディフェンス側がオフェンスを防ぐためにゴールエリアでプレーを行なったとき
- ゴールエリア内にいるゴールキーパーが、プレイングコート上にあるボールを取り込んだとき
- ゴールエリアにいる味方のゴールキーパーに、ボールをわざと返したとき、など
7mスローはレフェリーの笛が鳴ったあと、3秒以内にゴールに向かって直接シュートを打ちます。投げるプレーヤーの手からボールが手を離れるまでは、当人が7mラインを触れたり越えたり、ゴールキーパーがゴールキーパーラインを踏み越えたりすることは禁止されています。他プレーヤーは、7mスローが投げられたあと、ゴールキーパーかゴールにボールが触れるまではボールに触れてはいけません。
その他

前述のフリースローやスローオフなどの他にも、覚えておきたいハンドボールのプレーを挙げました。
- レフェリースロー
- 両チームのプレーヤーが同時に反則したときや、何らかの理由で競技が中断し、そのときのボールがどちらにも属していなかったときなどにレフェリーが投げること。レフェリーは笛を吹かず、競技が中断されたときにボールがあった地点やコート中央でボールを床に垂直に打ち付けます。運動場などで地面がやわらかいときは、投げ上げることもあります。投げられたボールが床に触れるまで、プレーヤーはレフェリーから3m以上離れていなければいけません。
- ゴールキーパースロー
- ゴールキーパーによるスローイング。ボールがアウターゴールライン、または、ゴールの上を通過したとき、相手チームのプレーヤーがゴールエリアに侵入したとき、ゴールキーパーがゴールエリア内でボールを保持したときに行ないます。レフェリーによる笛の合図なしで、ゴールエリアからボールを投げ出します。